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2023/03/02

義弟の求めるままに女装して【1】

【目次】義弟の求めるままに女装して  赤い文字をクリックして下さい
【第1章】《妻の引き出し》《義弟の宿》 
第2章】《掲示板からのメッセージ》《義弟に求められるまま》 
【第3章】《私を女にして欲しいの》《抱かれる悦び》

創作「義弟の求めるままに女装して」をお楽しみください。

【あらすじ】
妻が亡くなった後、その寂しさを>私はあることで紛らわせていた。それは妻の形見として残された衣類を身につけ、女装して自分を慰めていた。女装で外出するのを楽しみ、ネットで女装写真をアップして、オフ会にも参加していた。しかし、それができなくなった。

 《第1章 妻の引き出し》

大手の商社に勤めている私は、毎週土日は連休。一時はゴルフにも夢中になって、早朝からゴルフバッグを車に積み込んで、職場の仲間とコースを回ることが多かった。

しかし、妻の百合江が癌で入院してからは、ゴルフに行くことはなく、休みの日には、由里恵の病室で過ごすことが多かった。百合江が亡くなってから、釣りやゴルフに誘ってくれる先輩や上司もいたが、断ることの方が多かった。

週末の土曜日は、私には何も予定がないというか、誰もいない家の中で女装することが一番のスケジュールになったのです。

朝7時には浴室で、汗を流し、誰に見せるわけでもないのに、脇毛も剃り、ショーツからはみ出しそうな恥毛もすべてカットして、身体中の無駄な体毛を処理し終わると、あることをするのです。

イチジクの形をした40㏄の容器を手にすると、肛門に押し当てて、さらにもう一本も注入するのです。20分ほど我慢して、トイレで始末した後、ふたたび浴室で、ローズヒップの香りのする湯につかります。浴室を出ると、バスタオルだけの姿で二階に上がるのです、そこは妻が生きているときは夫婦の寝室でした。

今は私だけの寝室ですが、妻のタンスから彼女の死後も捨てることができなかったものを取り出すのです。私が最近購入した下着もあるのですが、妻の引き出しには、色っぽさを感じさせるランジェリーが収納されているのです。



 妻の元気なころは乳房もヒップも豊かでした。彼女が身に着けていたランジェリーは、今の自分にとっては、ブラジャーのサイズが少しきつい程度。
後ろのホックを一番外側にすれば十分身に着けることができたのです。かえって、Dカップのブラジャーには詰め物が必要だったし、パンティやスリップ、ストッキングは、そのサイズで身体にフィットしていました。

「新しいリップやアイブローのペンシルを買いに行こうかしら?」
そんなことをひとり呟きながら、シームレスカップの白いブラジャーに、シリコン製の乳房を入れてリフトアップする。豊かな胸を演出したあと、吸湿性の良いショーツを穿いた。シェイプアップの機能もあるショーツは、そこに一人の女性を感じさせていた。

「これは、結婚記念日にあなたにプレゼントされたものよ」
亡くなった妻に、そう言われたことがあった。
結婚してから、時にはワコールなどから発売された、高価なランジェリーなど「妻が身につけて欲しい」ものを、彼女にプレゼントしていた

そんなことを思い出しながら、次はメイクにかかった。
乳液を塗り終わり、液体のファンデーションを薄く顔に延ばし、眉を描き、アイシャドウ、口紅をぬり、最後に頬紅で仕上げる。ウイッグを被れば、そこにはいつもの自分ではなく、女になった自分がいた。

女装した時の自分は、「ひとみ」。そして、ひとみに話しかけるのです。
「ひとみ、今日はどんなのにする?」
「化粧品を買ったり、シャンプーやリンスを買い足すだけだから」
「それじゃあ、半袖のカットソーに、スカートでいいわ」


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ひとりで会話を楽しみながら、スカートに合わせて、どの靴にするかを考えていた。
クローゼットから、白い箱に納められたサンダルを取り出した

玄関に置かれた椅子に腰を掛けて、サンダルの金具を止めた。
男性にはわからないかも、玄関でブーツやファスナーのある靴をを脱ぐときに椅子があると便利なのです。

婦人用の財布の入っているバッグを持つと、車庫に止めている車に乗り、免許証、携帯、腕時計など忘れ物がないかを確かめた。
時々、免許証をいつもの財布から抜き出すのを忘れたり、女性用の腕時計を忘れたりしたことがあった。もちろん途中で化粧を直すための化粧ポーチも、忘れることができないものです。

女装で出かけるというのも、準備が大変。女装で行くところは、ネットで調べて、近くに駐車場があるかどうか、料金やサービスを確かめてから出かけるのです。

週末のお店は、女装子がたくさん集まるところも多いけど、男性客もいます。女装者にも、若くてきれいな子もいれば、そうでない方もいて、お店によって雰囲気も随分違うのです。

そういうお店の中で、自分の気に入った女装の楽しめるお店を基本にして、2,3箇所を回ることもあります。お店では男女のカップルで話が合えば、近くにあるホテルで時間を過ごして、またお店に戻ってくる場合や、女装子をお持ち帰りする男性客もいます。

私は、まだ男性客に誘われても断るので、「まだ、おねんね」とか、「男を知らないお嬢様」と、お店のママから言われていました。自分でも、女装している自分をエスコートしてくれる男性と、いつか女としての経験をしてみたいと思ってはいたのです。

《義弟の宿》

「ねえ、兄さん、宿泊代が助かるから、泊めてやってよ」と、妹から電話で頼まれたのです。
そのことが、私の生活を大きく変えることになってしまったのです。

地方都市に住む、義弟、私の妹の旦那なんですが、ある資格をとるための講習会場が、東京なんです。その講習会に参加するために、私の家に泊めてほしいということになったのです。

金曜日の夜に、義弟が泊まりに来ます。土曜日の朝からの講習会が終わると、もう一晩泊り、次の日曜日には帰ってしまうのです。

義弟は、もともと東京の出身、学生時代の友人に会うと言っては、講習会が終わっても土曜の夜は、深夜まで出かけてしまうことも多かったのです。

金曜日の夜、部屋の片づけを済ませて、新聞や、燃えるごみもゴミ置き場に運び終わると、義弟の泊まる部屋の掃除をして、シーツを洗濯したものに取り換えます。
掃除機は、音のしない静かなタイプで、夜のお掃除に重宝します。
妻が生きていたころ、掃除機の音がうるさいからと、私が一緒に電気屋に行って買ったものです。

なぜ、私が掃除や洗濯をしているかというと、乳がんで妻を失い、独り者になってしまったからなのです。再婚を勧められても、ある事情で断っていたのです。



そして燃えるように暑い八月の昼下がり
私は女装のまま、近くのお店にお買い物に行きました。

まだ厳しい日差しのなか、お出かけです。
木陰では、涼しい風も吹いていました。

その日は、のんびりとお酒でも楽しみたかったのです。
ショッピングセンターでお酒を買い、バッグの中に入れて、自宅に帰りました。

室内はエアコンが効いていて、涼しくてほっとしました。


ブラジャーの胸の谷間にも、汗びっしょり、額からも汗がにじんできます。冷えたグラスを取り出し、梅酒のサワーをロックにして、一番エアコンの風があたる場所、リビングのソファーに座り、涼んでいたのです。

土曜日のその時間、いつもなら、
まだ義弟が帰ってくる時間ではなかったのです。

いつも夜遅くに帰宅する義弟には、勝手に家に入れるように鍵を渡していました。

玄関ドアの前で足音が止まり、カチャと鍵を開ける音がしたのです。
まだ夕方だったので、まさかと思っていたら、リビングに義弟が入ってきたのです。
「講師の都合で早く終わっちゃって、・・・」

義弟は、私をみつめて驚いていたようです。
「義兄さん?」
金縛りにあったように、私は動けずにいました。
何と言い訳しようか、そう思った時です。

「義兄さん、今日は暑くて汗をかいたから、シャワー使わせて下さい」
そう言って、義弟は自分の部屋に行き、着替えを持って、肌着のシャツとパンツだけの弟が浴室に入っていきました。
シャワーの音がして、義弟は浴室で身体を洗っているようでした。

その間に大急ぎで、ワンピースや女性の衣類を脱いで、台所でメイク落としで洗顔し、Tシャツにジーンズ姿に着替えました。

その時の私は、心臓の鼓動を感じるほどドキドキしていました。

しばらくは、自分の部屋に隠れるようにしていました。

    
 
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